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健康への扉health

「冷え」と免疫力と自律神経との関係  

自律神経って?? 

方針イメージ

人間の身体の様々な機能は自律神経という神経によってコントロールされています。自律神経とは本人の意思とは関係なく支配している神経系統で、その働きは体温調節や血圧、呼吸や発汗、内臓の働きやホルモン調節など、呼吸器系、消化器系、循環器系、内分泌系、生殖器系などの大切な調節をつかさどっています。

自律神経は交感神経(活動神経)と副交感神経(リラックス神経)の2つの神経系統から成り立っています。これらは脳の視床下部でコントロールされ、拮抗作用(相反する働き)によりバランスを取り合い健康な状態を保とうとしています。

交感神経が優位な状態が続きすぎると身体に不具合が生じますが、副交感神経が優位な状態が続きすぎることも身体に不具合が生じます。つまり交感神経と副交感神経のバランスが大切であるということです。
自律神経のバランスが整っている状態が、身体の恒常性機能(身体を正常な状態に戻そうとする働き)を十分発揮できる状態なのです。

とかく現代人は交感神経が優位な状態が長時間続かざるを得ない状況であるといえます。

 自律神経のバランスがくずれる原因は様々ですが、
 主に・・・
 @過度のストレス
 A不規則な食生活
 B不規則な生活リズム
 Cホルモン環境の変化
 D薬の飲み過ぎ・使い過ぎ 
 E身体の「冷え」    などがあげられます。

自律神経のバランスに乱れが生じた身体は、不定愁訴と呼ばれる身体の様々な症状として現れてきます。 これらが自律神経失調症と呼ばれるものです。

自律神経と免疫力って関係あるの??

新潟で開業されている福田稔医師と新潟大学大学院の免疫学、安保徹教授により、「交感神経が優位になると白血球中の顆粒球が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増える」ということが解明されました。(福田‐安保理論)
この理論によると、白血球中の顆粒球とリンパ球の割合が重要で、通常は、顆粒球が54〜60%、リンパ球が35〜41%、マクロファージが約5%が理想の状態で、自律神経のバランスがくずれることにより白血球の成分バランスもくずれ、免疫力の低下を招くということです。身体に不調を訴えている方は、交感神経優位の状態が続きリンパ球の数が少ない状態であるといえます。
したがって、自律神経のバランスを整えるということは副交感神経が優位な状態を意識的に増やすことであり、リンパ球を増やすことになり、免疫力を高めることにつながるのです。

身体を温めると・・・。

身体が「冷え」た状態が続くと、様々な身体の機能低下を招き、緊張状態となり、交感神経が優位な状態となります。反対に身体を温めると副交感神経が優位な状態に近い体内環境となり、リンパ球の数が増加することがデータとして検証されています。
つまり、「身体を温める」⇒「自律神経のバランスが整う」⇒「免疫力が高まる」⇒「病気を治そうとする力、病気になりにくい身体をつくる」、ことができるということがいえます。
ぜひ、身体を冷やさない、身体を温める生活習慣を心がけましょう!!

身体を動かすと・・・。

身体が冷える大きな原因のひとつに、運動不足による筋力の低下があげられます。特に下半身の筋力低下は身体全体に影響を及ぼします。
人間の体温の約40%は筋肉が産生し、その体温を産生する筋肉の約70%は下半身に存在します。

その下半身にある筋肉を動かし、筋肉の収縮・弛緩を繰り返すことにより、熱産生による冷え対策はもちろん、静脈還流量が増加することによるむくみの解消、筋力増加や柔軟性の向上によるけが防止、筋肉が連動して動く際のネットワークの向上による転倒防止など様々な効果が期待できます。

それぞれの運動は安全な運動法をご紹介しておりますが、関節や筋肉などに炎症がある場合や痛みのある場合はひかえましょう。


     

手軽に簡単!「冷え」対策 〜身体を温めよう!編〜  

半身浴

方針イメージ

通常の入浴の後に、少しぬるいかな、と感じる温度でみぞおちから下半身をしっかりと温めます。市販されている小さなイスがあると便利です。時間の目安は約20〜30分。始めのうちは体調に合わせながら行いましょう。顔や上半身から驚くほどの発汗があります。
 
全身の血液循環が促進され、疲労回復、美容効果、下半身のむくみ改善、リラックス効果など様々な効果が期待できます。ぜひお試し下さい。    

しょうが風呂

しょうがの辛味成分であるショウガオール、ジンゲロールなど薬効豊富なしょうがを活用した入浴法。
方法は簡単、少し乾燥させたしょうがを1個分スライスして布の袋などに入れ、湯船に入れる。しょうがをすりおろして使用しても構いませんが、お肌が敏感な方は熱感やピリピリ感がある場合があります。お好みで。

しょうがには発汗作用、血液循環促進作用、保温効果、新陳代謝促進効果があり、「冷え」対策には抜群の効果を発揮します。
また、しょうがは漢方薬でも不可欠な存在で、「気・血・水」の流れを良くする働きがあります。    

足浴・手指浴

少し深めのバケツ等に、42℃〜45℃位のお湯を入れ、足・手をつけます。温度が下がったら熱いお湯を足して、約15分〜20分で身体全体が汗ばむほどの温熱効果があります。

お湯の中に岩塩や荒塩、しょうがやシソ等を入れると温熱効果が高まります。またお好みのアロマオイルを入れると心身ともにリラックス効果が増加し、またプチ贅沢気分が味わえます。     

足部温冷浴

通常の入浴から出る前に、足の甲や足の裏にシャワーや洗面器の水を掛けます。少し慣れるまではヒヤっとしますが、慣れるとクセになります。
入浴により拡張した末梢の毛細血管を収縮させることにより、保温効果を高め、自律神経のバランスを改善します。
お湯と冷水を掛けることを数回繰り返す温冷浴により、効果を増加させることが期待できます。

     

手軽に簡単!「冷え」対策〜 身体を動かそう!編〜   

その場太もも上げ

背もたれのあるイスに腰掛けます。イスは腰掛けた時に出来るだけ膝が約90度になる高さのものをお使い下さい。
背もたれに背中をしっかりつけ、勢いをつけずに膝が無理なく上がるところまで上げ、ゆっくりと膝を下げて着地します。この動きを呼吸を止めずに左右10回ずつを3セット行います。

回を重ねるにつれ、体力に合わせて回数を増やしたり、足首にマジックテープで巻く重りをつけてもOK。

主に、腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)を鍛え、転倒防止や姿勢保持に役立ちます。  

その場つま先あげ・かかと上げ

先程と同じように背もたれのあるイスに腰掛けます。背もたれに背中をしっかりつけ、勢いをつけずにつま先が無理なく上がるところまで上げ、つま先を着地させた後にかかとを無理なく上がるところまで上げ、かかとを着地します。この動きを10回〜20回を3セット行います。徐々に足全体がポカポカしてくるのが実感できます。
主に、下腿三頭筋、前脛骨筋などを鍛え、歩行時に後方へ蹴りだす力、前方へ踏み出す力やつま先を上げる力が安定し、転倒防止や歩行の安定に効果があります。

また、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)にはポンプ作用があり、下腿に滞った血液やリンパ液等を心臓へ送り返すことによりむくみにも効果があります。     

その場足指曲げ

先程と同じように背もたれのあるイスに腰掛けます。背もたれに背中をしっかりつけ、足の裏をしっかり着地させ、足の指5本をしっかり曲げます。(ジャンケンのグーの感じ)その後もどす、を繰り返します。
30回を3セット行います。指先がポカポカしてくるのを実感できます。

主に、足の底側骨間筋や母指球筋群を鍛え、縦足弓や横足弓のアーチ(土踏まず)の保持を助け、疲れにくい足をつくる効果が期待できます。
また、足底の筋肉を鍛えることにより、地面をしっかり捉えることができるようになり、安定感が増します。     

足指ジャンケン

イスに腰掛けながらでも、布団の中でもどこでも簡単にできます。
先程の足指曲げに足の指でチョキとパー(これがチョット難しい)を組み合わせたものです。
30回を3セット行います。慣れてくると、右足がジャンケンで勝つように、など色々行うと、今流行の「脳トレ」効果も期待できます。

主に、足の母指球筋群、小指球筋群、底側骨間筋、背側骨間筋を鍛え、足部全体の安定性向上、姿勢保持効果、転倒防止効果等が期待できます。  

手足の指で握手

イスや床に座り、左足の指の間に右手の指を入れます。その状態でぐるぐると軽く円を描くように回します。前後左右、色々な方向に動かしてみましょう。またその逆も行います。
5分から10分程度行うと毛細血管への血流が改善され、足の指先や足全体がホカホカと温かくなります。
無理のない程度に普段動かない方向にも軽く動かしてみましょう。脳や内臓へのの適度な刺激となります。


水平線の図

ファミリー鍼灸治療院

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